参加登録
生産者の課題を解決し、地域に寄り添う。一次産業を盛り上げて、いい商品をお客様のもとへ

1598年、織田信長の武将の一人が本能寺の変の後、刀を捨て綿商いを始めたのが綿半グループの起源。飯田の地で創業して420余年という、長野県で最も古い歴史を持つ老舗企業です。今回は、綿半グループの共同仕入会社である綿半パートナーズ株式会社に取材。プロダクトユニット 農業・園芸セクションリーダーの竹村夏樹さんに、しあわせバイ信州運動とリンクする取り組みについてうかがいました。
生産者には利益を増やし、お客様には鮮度のいいものを
綿半グループは現在、ホームセンターに食品スーパーが併設された「スーパーセンター」を主軸に、長野県内で21店舗を展開しています。綿半パートナーズは仕入れ会社として、グループの共同仕入れ、PB商品の共同開発、運送業務の合理化と在庫管理などを行なっています。私自身は以前はバイヤーで、今は農業・園芸を扱う部署にいるのですが、ここ数年力を入れている取り組みがしあわせバイ信州のコンセプトに一致することから、この運動への参画を決めました。
それが、長野県産の植物や切り花です。当社では、以前は県外産や海外産の花を多く取り扱っていました。でも実は、長野県で栽培される切り花の種類数は全国一位。冷涼な気候で栽培されることから、色鮮やかで長持ちすると、全国的にも評判がいいんです。
そんな県産の花が、わざわざ県外に出荷されていく。長野県内の店舗で取り扱う場合でも、収穫後は一旦東京や埼玉の市場まで運ばれてから、県内に配送されるという流れ。移動距離も輸送コストも相当かかっています。
そこで、生産者さんと直接お取り引きできないかと考えました。飯田に加工所を作り、これまで生産者さんが行なっていた梱包作業などを当社が行うことに。そして加工所から各店舗に配送します。生産者さんにとっては労力と時間が省けますし、運送の移動距離が減ることで、CO2削減にもつながります。
また、一般的に市場を通すと、収穫してから店に届くまでに5日前後かかります。お盆やお彼岸の時期は需要が集中するため、市場を通す流通経路では2〜3週間前に収穫しないと間に合いません。しかし、当社では生産者と直接取引することで、収穫から2日後には店舗に並べることが可能になりました。
綿半スーパーセンターに並ぶ色とりどりの切り花
そうしてコストカットできた分は、売価を下げるのではなく、生産者さんへの利益として還元しています。お客様には、価格はこれまでと同じでも、より鮮度のいい花が手に入るというメリットがあります。
生産者さんが「安くていいよ」とおっしゃることもありますが、当社では単に価格交渉をしないだけでなく、適正な市場価格を維持するために値上げをお願いすることもあります。安さを追求するのではなく、生産者さんの利益を確保することが、持続可能な農業を支えることにつながると考えています。
終わりかけの花を刈り取って商品化したことも
また切り花にも野菜と同様規格があるのですが、規格外の花も積極的に買い取りしています。終わりかけの花は加工するのに手間がかかるし、市場への売値も安くなってしまうから出荷しない、という生産者さんも。でもまだきれいに咲いているのにもったいないと、朝から当社の社員が数名でビニールハウスに入って刈り取りしたこともあります。枯れた枝の処分に困っているということだったので、それも引き受けました。
生産者さんには少しでも収益を出してほしいという思いがあります。このとき商品化できたのはわずかで、当社としては正直赤字だったのですが、今後につなげるための必要な経験だったと考えています。
めざすのは、高齢化や後継者不足で担い手が減ってきている一次産業を衰退させないということ。生産者さんを守り、増やして、これからもいい花や農産物を作っていただけるようサポートしたいと思っています。
生産者の声から、市田柿の収穫支援、加工、流通も
生産者さんの困りごとを聞いて改善策を考える、ということでいうと、南信州のブランド柿である市田柿の収穫サポートも行っています。10月下旬から1ヶ月ほどの収穫時期は、飯田一帯でみんなが忙しい。高齢化も進み、人が集まらず、作業がままならないという声を聞きました。そこで、私どもの部署でシフトを組んで社員を派遣し、収穫作業に当たったのです。
南信州の生産者と連携して加工した市田柿
機械化できないのかという声もあるのですが、世界第二位の農業大国で最先端の農業技術を持つオランダに視察に行った際、「収穫だけは手作業が最も適している」ということを知りました。目で見て、手で触れて、適した収穫のタイミングを見極め、柿ならヘタを残して丁寧にもぎとる。それには人の感覚がいちばんなんですね。
1シーズンに収穫した柿は25万個。皮剥きや吊るす作業も一部お手伝いしました。加工設備も新たに作り、袋詰めや出荷も自社で行なっています。
そしてこちらも適正価格で販売し、県内での消費拡大に向けて取り組んでいます。
出口がある強みを生かして、一次産業を応援したい
観葉植物はポットに植え替えたり寄せ植えにするなど、付加価値を上げて販売しています、と竹村さん
当社の強みは、出口=綿半という売り場があること。生産者とのつながりを強化して、今後も新たな流通チャネルを構築できたらと考えています。一次産業を盛り上げ、生産者さんの収益を拡大させ、よりいいものを県内のお客様にお届けしたいですね。
綿半では食に花、薬、住宅まで、生活に必要なものを網羅するように20社ほどのグループ会社があります。6月からは「綿半ファーム」が、最新鋭の設備を整えた養豚場を筑北村で始動させます。豚糞は肥料にして、肥料そのものも綿半の店頭で販売するなど、自社の物流を生かして資源の循環、廃棄ゼロをめざしています。お客様には県内産の品質のいい豚肉を味わっていただけると思うので、ぜひお楽しみにしてください。
【詳細情報】
さらに深堀りした情報をご紹介!
詳しくはこちら ARURAの
記事を読む

ARURA・しあわせバイ信州編集部
「信州が大好き!」をモットーに、発見や驚きに満ちた情報、ほっと安らぎを感じられる情報、テレビや雑誌では紹介しきれなかった情報など、長野県をますます好きになる情報を発信します。