合言葉は“「ともに」の力で、笑顔の明日を”。自然や食について考える、組合員活動も盛ん

宅配サービスでおなじみの「コープながの」は、事業や活動を通して助け合う消費者による自発的な組織「生活協同組合＝生協」です。組合員の声をもとに生まれた「コープ商品」をはじめとする商品の提供だけでなく、さまざまな組合員活動にも力を入れています。しあわせバイ信州運動ともつながる生協の理念や取り組みを、総合企画室課長の平阪純一さん(右)にうかがいました。（左：コープ安曇野豊科店店長　山岸琢磨さん）

生産者と組合員のつながりを大切にした「産直」商品を、宅配と店舗でお届け

宅配事業ではインターネット注文登録を推進。店舗事業では長野市での移動販売車や「お買い物サポートカー」サービスも

生活協同組合コープながのは、1992年に発足し、長野県学校生協・南信生協・長野生協・県民生協・長野電鉄生協が合併した非営利の組織。現在の組合員数は34万人を越え、職員数は約1000人です。店舗事業としては長野稲里店(長野市)と安曇野豊科店(安曇野市)の2店舗がありますが、事業の9割を占めるのは宅配事業。県内に13ある宅配センターから、組合員のもとへ商品をお届けしています。

理念は「ともに はぐくむ くらしと未来」。一人ひとりが手を取り合ってくらしを良くし、安心してくらせるまちづくりに貢献するとともに、人と自然が共生する社会と平和な未来を追求しています。

安曇野豊科店の産直コーナー。生い立ちがはっきりわかる農畜産物をそろえている

コープながのは商品供給事業を通して、

・安全と安心

・おいしい

・利用しやすい価格

・健康

・楽しい

・便利

・持続可能な社会の実現への貢献

という7つの価値を実現し、組合員のくらしを支えています。日本生協連が開発する「コープ商品」は、組合員の声から生まれ、組合員の声を反映しながら改良しているもので、品質にこだわり、非常に厳しい基準でつくられています。

もちろん、長野県で作られたものを県内の方々にお届けすることも、コープながのが大切にしていることです。地域の農畜産物を食べたいという組合員の声も多く、私どもは“つなぎ役”として、生産者の顔が見える安全な商品を提供していきたいと考えています。

例えば、「コープ産直ながの牛乳」や「コープ牛乳」は、信州ミルクランド(株)あづみ野工場で製造したもの。甘みがあっておいしい牛乳として、多くの方々に親しんでいただいています。

1週間にもう1杯お米を食べて、食の未来につなげよう

1週間の21食のうち、米食を1回でも増やしてみようという取り組み

コープながのでは「未来へつなごう」というスローガンのもと、国産の米や乳製品、畜産物、野菜などの利用消費を呼びかけるキャンペーンを実施しています。なかでも米の消費量がこの50年で半分に減少していることから、日本の米づくりを食べて応援するため、「1週間にもう1杯お米を食べよう “ワン・モア・ライス”」という取り組みを行っています。

1週間のうち、これまでパンや麺を食べていた1食を、ごはんに。おにぎりでもチャーハンでも、パックごはん、お餅でもいい。一人ひとりが無理のない範囲でお米を食べる量を増やすことで、生産者を応援したい。それが田畑や自然環境を守ること、また食料自給力の維持・向上にもつながると考えています。

JAあづみを指定産地にした長野県産コシヒカリ

食を真ん中にした体験で、環境やくらしを学ぶ

コープながのではさまざまな組合員活動も行っています。お米つながりでいえば、「がっこう」シリーズと銘打った屋外企画の一つに「田んぼのがっこう」という企画があり、田植えや稲刈りを通じて、お米ができる環境や育つ様子について学んでいます。

私自身、大町市花き協会さんの田んぼで家族と一緒に参加し体験させてもらったのですが、生産者さんの話を直接うかがったり、広大な田んぼの中で体を動かしてお手伝いできたことは、とても楽しく学びが多かったです。

そして、そこでとれたお米のおいしいこと！「あの人がつくったお米だから、大切に食べよう」という思いも湧きますし、子どもたちにとっても大きな経験になったことでしょう。

「田んぼのがっこう」は約20年続く活動。コープながので商品化された「大町市花き協会」の米は香りがよく甘みがあると評判

今後もさまざまな参加の場を設け、「食を通した体験」を提供することで、豊かな地域づくり、そして幸せなくらしにアプローチできたらうれしいです。

また、物価上昇がまだまだ続く中、宅配・店舗ともに特別価格で商品を提供するキャンペーンを行うなど、引き続き組合員のくらしに寄り添い、応援していきたいと考えています。