高校生発案メニューも!信州の伝統野菜「ぼたんこしょう」を使った新商品をセブン-イレブンで発売
中野市で栽培される信州の伝統野菜「ぼたんこしょう」。果肉は肉厚、さわやかな辛さの中に甘さと旨さを持ち合わせた、ピーマン型のトウガラシです。そんなぼたんこしょうを使ったオリジナル商品を、セブン-イレブンで販売して今年で11年。地域の食材が主役の商品づくりに対する思いを、開発に携わったみなさんにうかがいました。
形状が牡丹の花のように見えることから「ぼたんこしょう」と呼ばれるように
伝統野菜を守り、そのおいしさを伝えるために
斑尾山の麓、中野市永江西組地区を中心に、昭和初期から栽培されているぼたんこしょうは、2008年に信州の伝統野菜に認定されました。それまでぼたんこしょうは各家庭の畑で自家用につくっていて、パプリカやシシトウと交配してしまうなど、だんだん形や味が変わってきてしまっていました。
そこで、肉厚で丸い形と、辛さと旨みのある伝統的なぼたんこしょうの保存と普及を目的に、同じ年に「斑尾ぼたんこしょう保存会」が発足。保存会では、味噌と合わせた「ぼたんこしょう味噌」や、夏野菜と一緒に刻んだ「やたら」といった加工品の製造も手がけています。
セブン-イレブンで販売するぼたんこしょうを使った商品開発については、5〜6年前から保存会もサポートするように。調味料としてのぼたんこしょうの使い方や、彩りの出し方などをアドバイスしています。
今年はほどよい雨に恵まれ、ぼたんこしょうの出来も上々。それをこのような商品に使ってもらえて、とてもありがたく思っています。
(斑尾ぼたんこしょう保存会の大内ふじ子さん、松野冨子さん)
左上から、「ぼたんこしょうの醤油漬 冷やしちく天うどん」(518円)、「だし飯おむすびぼたんこしょう」(124円)、「冷たいまま食べる鶏唐揚 ぼたんこしょうまみれ」(321円)、「ぼたんこしょうとベーコンの旨辛和風パスタ」(518円)
高校生も開発に参加。地産地消につながる取り組みを
地元の伝統野菜であるぼたんこしょうを普及させようと、2013年に中野市からセブン-イレブンにお声がけしたのが、この取り組みの始まり。最初は「ぼたんこしょう味噌おにぎり」1品からスタートしました。毎年新たな商品が登場していますが、10周年を迎えた昨年からは、中野立志館高校の生徒さんにも参加してもらい、新商品の開発に取り組んでいます。
今年は4品の新商品が販売されました。そのうち「冷たいまま食べる鶏唐揚 ぼたんこしょうまみれ」は、高校生のアイデアが採用されたもの。中野市産のぼたんこしょうを長野県のみなさんに気軽に味わっていただき、地産地消につなげていければと考えています。
(中野市経済部農業振興課 臼井徹さん)
刻んだぼたんこしょうがたっぷり乗った唐揚は、衣にもぼたんこしょうをプラス。さわやかな辛さがやみつきに
新商品のメニュー開発に携わったのは、高校で「商品開発と流通」のクラスを選択している3年生38名です。ぼたんこしょうは家で出てくることがなくて、実は今回初めてぼたんこしょうの味を知りました。栽培も体験して、生のぼたんこしょうをかじってみたら、めちゃくちゃ辛くてびっくり(笑)。自分たちのアイデアが採用されておいしい商品ができたと思うので、家族や友達にも「ぼたんこしょうっておいしいよ」と伝えていきたいです。
(中野立志館高校生)
中野市永江地区にある畑では、中野立志館高校の生徒がぼたんこしょうの栽培を体験
地域に根付いた商品づくりに注力。伝統野菜を若い世代に伝承したい
地域の原材料を使った商品は、年々関心が高まってきています。地元の方々と一丸になってこの取り組みを進めて11年。高校生にも立案に関わってもらっているのですが、我々では思いつかないようなアイデアも出てきて、新鮮でした。今年は保存会のみなさまの協力のもと、ぼたんこしょうの栽培や収穫体験も。商品ができるまでのそうした過程を知ることも、高校生にとってよい体験になったのではと思います。
ぼたんこしょうを使った4商品は、長野県・山梨県のセブン-イレブン663店で、9月いっぱいを目処に販売する予定です。
こうした取り組みを長く続けることで、地域信州の伝統野菜を進化させながら、若い世代に伝承していきたい。また、今後もより地域に根付いた商品をつくっていけたらと考えています。(株式会社セブン-イレブン・ジャパン商品本部・豊島淳志さん)
【詳細情報】
- 団体名
- 中野市経済部農業振興課
- 住所
- 中野市三好町1-3-19
- TEL
- 0269-22-2111
- 団体名
- 斑尾ぼたんこしょう保存会
- 住所
- 中野市永江8007イ-1
- TEL
- 0269-38-3327
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ARURA・しあわせバイ信州編集部
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