PROJECTS
株式会社テンホウ・フーズ

地域と手を携え育ってきたソウルフード。三世代に親しまれる「みんなのテンホウ」(諏訪市)


サービス/宿泊・飲食・観光

長野県内に34店舗(2026年1月現在)を展開する「みんなのテンホウ」。県民のソウルフードとして、長く愛されているご当地チェーンです。地域との関わりや大切にしていること、信州ならではのコラボメニュー、そして今後の展開について、入社24年の取締役工場長、五味節二さんにうかがいました。
 
 
看板メニューは餃子。おばあちゃんが50歳でつくり上げた味を受け継ぐ
 
 

手前は、松尾商店とコラボした「野沢菜漬けぎょうざ」。
奥の餃子に入っている香辛料の配合は、五味さんと専務の2人しか知らない企業秘密だそう

 
 
テンホウのルーツは1956年、現社長の祖母である百代(ももよ)おばあちゃんが、上諏訪で創業した「餃子菜館」にさかのぼります。それ以前は家族で温泉旅館を営んでいたのですが、ちょうど諏訪湖周辺に大型旅館ができ始めた時代。小さな旅館では太刀打ちできないと考えた百代おばあちゃんは、新たな道を選びます。東京で食べた餃子の味に惚れ込み、その店に頼み込んで無給で修業させてもらったそうです。
そうしてレシピを習得し、諏訪で初めての餃子の店を開店。この挑戦がなんと50歳のときだったというから、今考えてもすごい決断だったと思います。
 
1973年には法人化し、株式会社テンホウ・フーズが誕生。「ぎょうざのテンホウ」、「ラーメンのテンホウ」、そして「みんなのテンホウ」と店名を変え、その名のとおり、たくさんの方々に親しんでいただけるラーメンチェーンへと成長してまいりました。
 
メニューのバリエーションの多さも、多くの方に喜んでもらえている理由のひとつです。創業当初からある餃子やチャーメン、タンメンなどは、基本を守りながらブラッシュアップ。長く愛されてきた定番の味わいを、今も楽しんでいただいています。
 
 
県内企業とタッグを組んだコラボメニューもお目見え
 
 

人気の餃子は県内のスーパーでも販売。家庭でも気軽にテンホウの味が楽しめる

 
 
今年70周年を迎えるテンホウでは、地域のみなさんと手を携えながら、メニューづくりを続けてきました。
たとえば、餃子の餡の水分を調整するために使っているのは、伊那食品工業さんの寒天です。卓上に置いている酢は、飯島町の内堀醸造さんのもの。また、餃子やラーメンの具材として使うキャベツは、1日に約1トンを仕込むのですが、6〜11月頃は富士見町の農家さんから仕入れています。地元産のキャベツはみずみずしさがまったく違い、鮮度が高いため加工しても色が変わりにくいのです。
夏場にはネギも駒ヶ根や原村産のものを使うなど、できるだけ長野県産の食材を選び、結果として地域への還元につながればと考えています。
 
新たなメニュー展開も、地域とともに取り組んでいます。最近のヒット商品は、茅野で創業100年を超える老舗の漬物店、松尾商店さんの野沢菜漬けを使った「野沢菜漬けぎょうざ」。水分の抜き方やカットの仕方、塩分の調整など試行錯誤を重ね、1年の開発期間を経て、歯ごたえよく味わい深い餃子が完成しました。
信州らしい野沢菜の餃子ということで、県外からのお客さまにも好評です。
ほかにも期間限定で、地域の企業とコラボしたメニューも手がけています。2月には、味噌文化が息づく信州で、寒い冬に体の芯から温まってほしいという思いから、県内各地の味噌蔵7件の味噌を使った味噌ラーメンが登場する予定です。
コラボする味噌蔵さんは、岡谷の喜多屋醸造店さん、松本の丸正醸造さんなど。地域によって味わいもトッピングも異なるため、ぜひあちこちのテンホウで楽しんでもらえたらうれしいですね。
 
 
地域貢献にも注力し、ファンを増やす。県内で104(=テンホウ)店舗をめざして
 
 

自社工場では1日にラーメン1万食、餃子7万2000個を製造

 
餃子と麺を製造するこちらの工場では、近隣6市町村の小学3年生が参加する「諏訪めぐり」の授業の一環として、年間2000人の工場見学を受け入れています。見学のあとには、焼きたての餃子の試食をしてもらい、グッズやテンホウの無料券が入ったガチャガチャを楽しんでもらっています。
そうした体験をきっかけに、家で家族にテンホウのことを話したり、家族みんなで来店してくれたりと、テンホウをより身近に感じてもらえるのではないかと思います。食育も含めて、これからも地域のためにできることを続けていきたいと考えています。
 
 

工場の壁には、児童のコメントがぎっしり貼られている

 
昨年は6年ぶりに松本に新店をオープンしました。おかげさまで売り上げも好調で、今年はさらに諏訪地域で2店舗の出店を予定しています。
一方で、効率化のためにタッチパネルなどの機械化を進める予定はありません。常連のお客さまとの会話や、とくに年配の方が気軽に話しかけられるような、人の温度が感じられる店づくりを大切にしているからです。そんな空間で、3世代に親しんでもらえる、どなたにも食べやすい“ど真ん中の味”を提供していきたいですね。
 
損得ではなく、地域のために。104(=テンホウ)店舗をめざして、「いつでもそこにテンホウがある」と思ってもらえる存在でありたいと願っています。

【詳細情報】

社名
株式会社テンホウ・フーズ
住所
諏訪市中洲5314-1
TEL
0266-58-1100
URL
https://tenhoo.jp