PROJECTS
株式会社長門牧場(長和町)

「牛を幸せに育てる」がモットー。これからも地域で長く愛される牧場に


メーカー/食品・農林水産

1966年に酪農を始め、1985年に会社組織として設立された「長門牧場(ながとぼくじょう)」。酪農、製造、販売を通して、大自然の恵みをお客様へ、そして未来へとつないでいます。しあわせバイ信州の理念と合致する牧場の思いと取り組みを、取締役副社長の児玉洋子さん、レストハウス部部長の赤松祐樹さんにうかがいました。

 

 

 

どこまでも続く草原に癒される。毎年6月と10月には楽しい牧場祭も

 

 

牛がストレスなく過ごせる環境が、よい生乳づくりにつながる

 

ここは標高1400mあり、夏は冷涼で、冬は寒さ厳しいエリア。広さは211ha、東京ドーム45個分で、かつては本州一広い牧場でした。現在、生乳を搾り、製品をつくり、販売するという1次〜3次産業までを、この場所で一貫して行なっています。

 

当社では、「牛を幸せに育てる」という理念のもと、牛にストレスをかけない酪農を実践しています。

新牛舎の特徴は、自動搾乳、自動給餌を取り入れていること。80頭ほどいる乳牛は、つながれていないため好きなように動くことができ、それぞれ自分のタイミングで搾乳ロボットまでやってきます。搾乳が始まると給餌も自動で行われ、生乳の質や量もその都度チェックされる仕組みです。

何時に給餌して何時に搾乳する、という人間主体のやり方ではなく、牛が主体の搾乳スタイル。そうしてストレスなく育った牛からは、いい生乳がとれるというわけです。

 

また、生乳の90%は水でできています。牧場設立当初から、蓼科山の地下水を牛たちに与えています。もちろん、水を飲むのも牛の好きなタイミングで。

大自然の恵みと、牛が幸せに育つ環境が、おいしい製品づくりには欠かせないのです。

 

 

自社製品は直営ショップのほか、一部、町内の道の駅や土産店などでも購入できる

 

 

生乳のおいしさが詰まった乳製品がずらり。地元店とのコラボ商品も

 

搾りたての生乳は、敷地内の工場ですぐに加工され、乳製品に生まれ変わります。

その名も「ここだけの牛乳」は、高圧をかけて乳成分を砕く処理をしていないノンホモ牛乳。搾りたてに近い、牛乳本来の風味を味わっていただけます。

ほかにも、さっぱりとしたヨーグルトや、生クリームを加えて発酵させた濃厚なプレーンヨーグルト、生乳の旨みが広がるドリンクヨーグルト、フレッシュな味わいのモッツァレラやクリームチーズなどをラインナップしています。

 

地域の店舗とコラボした商品もあります。地元の味噌蔵「酢屋茂(すやも)」の信州味噌とマイルドなゴーダチーズを合わせた「味噌チーズ」は、お酒のお供にぴったり。熱々のごはんと混ぜたり、おにぎりの具にしても絶品なんです。

 

佐久市にある卵とスイーツの店「ちゃたまや」と共同開発した「牧場のプリン」は、こだわりの卵×牛乳という最強コンビ。固め食感でありながらなめらかで、コクがあってあと引くおいしさです。

 

 

ソフトクリーム450円は行列に並んででも食べたいおいしさ

 

自社製品の第一号は、1985年からあるアイスクリーム。生乳のおいしさを活かした濃厚な味わいで、長年愛されている逸品です。

牧場に来られたら、クリーミーなソフトクリームをぜひ。多いときは1日に2500個売れることもあるんですよ。

 

 

イタリア製の薪窯で焼く「ピッツァ マルゲリータ」2000円。ふわふわ生地もおいしい

 

 

食肉用の短角牛も飼育中。今後は循環型酪農を目指して

 

蓼科山や浅間山、遠くに北アルプスが広がる雄大な景色を眺めながら、ゆっくり食事が楽しめるレストランも。ここではピッツァやビーフカレーが人気です。

 

実は5年ほど前から、食肉用の短角牛を放牧して育てています。県内で短角牛を飼育しているのは当牧場のみ。牧場内の牧草だけを食べて育った牛は、赤身がおいしい希少なグラスフェッドミートに。

まだ飼育数が少なく、ほぼ流通していないのですが、レストランでステーキやローストビーフとして登場することもあるので、その際はぜひご賞味いただきたいですね。

 

 

赤松さん(左)は甘酒ヨーグルト、児玉さん(右)は味噌チーズがイチオシ

 

 

現在牛舎で育てている乳牛も、今後は広大な敷地で放牧して、より元気で長生きできるような飼育環境を目指しています。牧草についても7種ほど育てて試験しているところ。堆肥も生産して土地に還元する循環型酪農への取り組みを、5年後を目処に進めていきます。

お客様にとっても、今より牛を身近に感じていただける環境が整います。観光牧場ではありませんが、これからも地域に愛される牧場づくり、製品づくりに尽力していきたいですね。

 

【詳細情報】

社名
株式会社長門牧場
住所
小県郡長和町大門3539-2
TEL
0267-55-6969
URL
https://nagatofarm.com
【この記事を書いた人】

ARURA・しあわせバイ信州編集部

「信州が大好き!」をモットーに、発見や驚きに満ちた情報、ほっと安らぎを感じられる情報、テレビや雑誌では紹介しきれなかった情報など、長野県をますます好きになる情報を発信します。